「いま撮りたい」と「いまは買えない」の交差点。
「ひろと……今日は、泣いていい?」
昼休み、ベンチに腰を下ろしたさとしが、手のひらの上でiPhone XRをくるりと返した。
泣きたいのは、14が“高い”からだ。
※iOS 26の話はもう終わっている。そこから始まった“次の一台”を探す旅も、いよいよ最終コーナー。
候補を絞った最後の壁が、値段だった。

iPhone14が高くて泣いているさとし。
「14、物は良さそうなんだ。画面もカメラも、生活がラクになる未来が見える。でも、中古でも8万円前後って表示を見ると、胸がキュッとする。芽依の靴も新しくしたいし、米も切らしたくない」
ひろとは笑わない。「泣いていい。でも、計算もしてみよ。“高い”って、何と比べての“高い”かを明らかにしよう」
陽菜は電卓を開く。「月で割ると、気持ちが少し整うかも。『買う』じゃなくて、“使う月数で支払う”イメージ」
さとしは深く息を吐いた。「……欲しい。なのに、高いってだけで諦めるのも、悔しい」
——いま撮りたい気持ちと、いまは買えない現実。その交差点に立ったまま、立ち止まらない方法を探そう。
この回は、“諦める理由”ではなく、“納得できる理由”を一緒に探す。
14/14 Plus/14 Proのどこに惹かれ、いくらなら自分を許せるか。
ページの先で、数字と生活、両方の言葉で、答えを見つけよう。
※これまでの回で「11」「12」「13」「SE3」を検討してきた。
いまは「14」を、“価格の痛み”と“毎日の満足”の両面から見つめ直す番。
目次
泣きたい価格…それでも14に惹かれる理由

泣きたい価格、でも月で割れば…」
「高い」って、実は“欲しい証拠”でもある。
目の前の数字に肩を落とした瞬間、同時に心はもう、14の毎日を想像している。
1)“欲しい理由”は、生活の中にある
画面(有機EL):黒が締まる。屋外での見やすさが違う。
カメラ:夜の室内、動く子ども、動画の手ぶれ。撮り損ねが減る。
MagSafe:置くだけで充電が習慣化。帰宅後のひと手間が消える。
サイズ感(14):持ち替えの違和感が少ない。片手で扱いやすいライン。
さとしは頷く。「“写真がブレない日常”って、思ってたより欲しいんだよね」
2)でも“がっかり”は現実:中古でも高い

電卓+中古価格メモ
iPhone 14(良状態・保証つき):75,000〜85,000円の並びを見かけることが多い
14 Plus:95,000円前後(電池の安心と引き換えに、重量・価格が上がる)
14 Pro:115,000円前後〜(望遠・120Hz・上質な表示、でも価格は跳ね上がる)
「数字で固まる瞬間があるよね」と陽菜。
「ある」とさとし。「“良さ”と“財布”が喧嘩する」
3)“泣きたい”気持ちを整える合言葉は、月で割る

机上にiPhone14とMagSafe・カレンダーとコイン
ひろとがメモを差し出す。
例)14 中古 78,000円、2年使う想定 → 3,250円/月
2年後 下取りや売却 28,000円を見込むなら、実質 (78,000−28,000)/24 ≒ 2,083円/月
14 Plus 98,000円 → 同条件なら (98,000−34,000)/24 ≒ 2,667円/月
※金額はあくまでイメージ。あなたの見積もりで置き換えてOK。
「2,000円/月で“夜でもブレずに撮れる日常”が来るなら、高いだけじゃないかも」とさとし。
胸のつかえが、少しだけ言葉になった。
4)14/14 Plus/14 Pro —— 惹かれるポイントの“素直な差”

店頭で14/Plus/Proを持ちくらべる3人
14:扱いやすさの中心。画面・カメラ・充電の総合点で後悔しにくい。
14 Plus:電池の心配が最小。外回り・お迎え・長時間移動で余裕。ただし重さは要試着。
14 Pro:望遠・120Hz・表示の気持ちよさが決定打に。使い切れる確信が条件。
陽菜が小さく笑う。「“ワクワクの理由”が言えるなら、買う意味がある」
ひろともうなずく。「逆に、理由が言えない“憧れ”だけなら、13の良個体に妙手がある」
5)“買わない勇気”も、ちゃんと選択肢

スマホを箱に戻す手と閉じられる財布
待てる人:値動きの波を使う(発表直後・決算・年末・新学期前)。
つなぎ運用:13の良個体+保証でTCO(総所有コスト)を下げて様子見。
家族内の流れ:後日の“お下がり”計画を頭の隅に置く。
1分まとめ(H2-1)
14は“物は良い”。だから高いとがっかりする。
でも、月で割ると“毎日の満足”が見えてくる。
理由を言える惹かれ方なら、選ぶ価値がある。
言えないなら、13の良個体で泣かずに繋ぐ道もある。
さらに詳しく:
XRサポート:iPhone XRはいつまで使える?【2025】iOS 26非対応と安全策
iOS 26即時設定:iOS 26配信スタート|対応機種と“今すぐやる設定”
XRから14/14 Plus/14 Pro──“生活ジャンプ”はここが変わる(表)

持つ・撮る・充電の3シーンを横並びで示すトリプティック
「バッグは普段持たない。でも、保育園のお迎えだけは別。
抱っこ、園バッグ、連絡帳、買い物袋……そして芽依。
その瞬間に片手でサッと撮れるかどうかが、けっこう大事なんだ」
さとしの一言に、陽菜がうなずく。
「Plusは電池が楽ってよく言われるけど、重さが不意打ちになることもある。
それはお母さんたちも同じで、“抱っこ+荷物+片手スマホ”の場面は多いからね」
観点 | XR → 14 | XR → 14 Plus | XR → 14 Pro |
---|---|---|---|
持ちやすさ | 6.1型で持ち替えの違和感が少ない。片手操作の“ちょうど感”。 | 6.7型で画面広いが、抱っこ+荷物の場面では重さが響くことがある。 | 重さは14より増。ただしサイズは14に近く、バランスは悪くない体感。 |
画面表示 | 有機ELで黒が締まる。屋外視認性UP。 | 同左+文字や地図が見やすい(保育園連絡や予定の確認が楽)。 | 120Hzの滑らか表示でスクロール気持ちよし。 |
カメラ | 夜間・室内の撮り損ねが減る。子ども撮影の歩留まりUP。 | 同左。大画面でフレーミングしやすい。 | 望遠・マクロなどPro機能で表現の幅が広い。 |
動画安定感 | 手ぶれが少なく記録が残しやすい。 | 同左。画面が広い分、被写体追いやすい。 | 同左+センサー性能優位で余裕感あり。 |
電池 | XRより改善。一日はだいたい安心。 | 一番ラク。お迎え〜寝かしつけまで余裕。 | 14よりやや良い体感(使い方次第)。 |
価格感(中古) | 75,000〜85,000円前後(状態・保証で差)。 | 95,000円前後。電池の安心と引き換えに出費増。 | 115,000円前後〜。使い切れる確信がある人向け。 |
一言 | “生活の中心”に置きやすいバランス型。 | “電池の安心”は最強だが、片手撮影の俊敏さは人を選ぶ。 | “とにかく写真と表示”で心が決まるなら最適。 |
ポイント
Plusの重さ問題は、お迎えや買い物の“片手で咄嗟”という生活の瞬間で体感差が出やすい。
逆に外回りが長く充電が難しい日は、Plusの安心感が圧勝。
Proは「望遠・120Hz・表示の気持ちよさ」を使い切れる人にとって、価格差以上の満足がある。
会話メモ
さとし「芽依を抱っこして、連絡帳を片手で押さえて……その合間にサッと撮る。それが重いと少し怖い」
陽菜「落としそうになるストレスって、地味に毎日へこむんだよね」
ひろと「だから“持つ・撮る・見る”の3チェックを店頭で。両手がふさがる状況を想定して持ち比べよう」
店頭で“お迎えシミュレーション”をやってみる

店頭で14/Plus/Proを持ちくらべる3人
片手で構えて親指だけでシャッター(音量ボタンでもOK)
抱っこの形を再現:スマホを小指で支える癖が出ないか確かめる
手汗・ケースの滑り:素材で体感が大きく変わる
ストラップ穴 or 落下防止の運用を考える(重いほど補助が安心)
陽菜「“Plusはお迎え向きじゃない”って決めつけないで。持つ頻度・移動距離、どんな写真を撮りたいかで正解は変わるから」
ひろと「電池の安心 vs 片手の自在さ。どちらに“毎日の不満”が出やすいかで選ぶと失敗が少ない」
💡 主な仕様はApple公式比較を参照(出典:Apple公式)
13・12・SE3との“現実”──価格と差分の小ささも正直に

3台のスマホ背面とLightningケーブルを置いた比較
「13の良個体が安く出ると、14の高値がより刺さる」
さとしの本音に、ひろとが数字で返す。
14 vs 13:体感差は小さめ。相場・状態・保証で14が勝つ場面あり。
14 vs 12:5G/MagSafeは同等土俵。電池・状態の良さで14に分がある時がある。
14 vs SE3:ホームボタン・軽さはSE3。夜景・動画・画面の満足は14。

望遠・120Hz・電池アイコンで違いを示すピクト図
選び方のリアル
「価格差<満足差」なら14へ。
「価格差>満足差」なら13へ。バッテリー交換込みの総額で再計算。
SE3は軽さとホームボタンを最優先する人の“ベスト”。
さらに詳しく:
3分診断フローチャート──あなたはどれ?

分岐矢印で選択肢を示すカード型フローのイラスト
Q1:一日、電池が不安?
Yes → Plus / No → Q2Q2:望遠・120Hzの“使い切る場面”が思い浮かぶ?
Yes → Pro / No → Q3Q3:お迎え・買い物など片手での咄嗟撮影が多い?
Yes → 14(or Proのサイズ感を再確認) / No → Plus再検討Q4:Lightning資産を活かしたい?
Yes → 14/14 Plus/14 ProのままOK / USB-C統一派 → 15以降も検討
ひとこと
お迎えがある日常では、重さは“撮る自由”に直結。
外出が長い日常では、Plusの電池は心の余裕。
どちらが“毎日の不満”を減らすかで決めると後悔が少ない。
価格が高い…をどう越える?“泣かない買い方”6択
陽菜「“高い”を“納得”に変えるには、買い方から整えるのが近道だよ」
① 保証つき中古は“三点主義”

保証印・ルーペ・電池アイコン
保証:店舗保証 or メーカー整備済み(初期不良・Face ID・True Toneまで扱うか)
状態:外観(レンズ周り/フレーム)・防水テープの貼り直し有無・修理歴
電池:最大容量の数値だけでなく、充電回数&保証で見る(短期で交換対応可なら安心)
② 「13の優等生個体」で初期費用を抑える

気になる所をメモ
14との体感差は小さい。
価格差が大きいときは、13+保証のほうが総合で満足しやすい。
バッテリー交換込みの総額で見直す(下のTCO参照)。
③ 14 Plusは“電池の心配を根こそぎ減らしたい人”だけ

バッテリーと道標のピクトイラスト
外回り、長距離移動、充電環境が読めない働き方なら最強。
ただし抱っこ+荷物で片手撮影が多い人は重さを要試着。
④ 14 Proは“使い切る確信”が条件

被写体ボケの小写真とスマホを並べている
望遠・120Hz・表示品質が毎日の喜びになる人向け。
「なんとなく上位」を避ければ、後悔はほぼ消える。
⑤ 家族内“時間差プラン”(温存策)

買い急がず、ベストタイミングで譲り合い。
いまは13の良個体でつなぎ → 将来のお下がり。
⑥ 値動きの波を使う

価格はじわじわ波打ちます。 いま高値なら、次のゆるみまで一歩待つだけでも総額は変わります。
新機種発表直後/決算/年末/新学期前は相場が動きやすい。
「今すぐ必要?」を自問。必要なら保証重視、待てるなら時期を選ぶ。
💡TCO(総所有コスト)で“月いくら?”
総コスト=購入価格 − 売却見込み +(電池交換など)
月あたり=総コスト ÷ 予定使用月数
例:14 中古 78,000円 → 2年後売却 28,000円 → (78,000−28,000)/24 ≒ 2,083円/月
例:13 中古 60,000円+電池交換 12,000円 → 売却 20,000円 → (60,000−20,000+12,000)/24 ≒ 2,167円/月
→ 差が小さいなら、“毎日うれしいほう”が正解。
ひろとメモ:「安い/高いじゃなく、払って後悔しないか。」
陽菜:「“言葉にできる理由”がある買い物は、長く納得が続く。」
XRからの移行と“最初にやる設定”(スマホだけでOK)
陽菜「ここ、つまずきやすいから先に書いとくね」
データ移行(クイックスタート)

2台を近づけるだけ、転送スタート。
新旧を近づけて、画面の指示でカメラ読み取り
Wi-Fi転送 or Lightningケーブル直結(不安なら直結が安定)
旧端末の2段階認証コードを用意しておく
最初にやること

FaceID・写真・バックアップの3アイコンを並べた設定図
Face ID/パスコード/緊急SOS
iCloud写真:最適化(端末容量の節約)
バックアップON(“今すぐ作成”で初回を確定)
通知・位置情報:要らないアプリを先に見直すと電池が楽
さらに詳しく:
Lightning勢の時短ワザ(さとし家はこれ)

さとし家はLightning
iPad Air(第3世代)もLightning → 14なら充電環境をそのまま流用
MagSafeは後日でOK(まずはケース+ガラスだけ始める)
車載・モバイルバッテリーも当面そのまま
さらに詳しく:
昼休みの作戦会議 → 夜のイルミへ(迷い→小さな希望)
さとし「14、欲しい。 でも高い。でも……欲しい。」
ひろと:「2,000円/月で、“夜でも撮れる日常”が買えるなら?」
陽菜:「買うことが目的じゃないよ。“残る体験”が増えるなら、意味はある」
夜は“割り切り”だった——でも14なら、灯りを探さずに済む

薄暮のイルミの下で片手で撮るさとし
帰り道の遊歩道。木々に小さな光。
芽依が指を伸ばして「きらきら、つかまえたい」。
さとし「SE3は日中はきれいだった。夜は“割り切り”で、
寝顔はスタンドライトつければ十分撮れた。
でも、こういう咄嗟の暗めは、ライト探す間に逃しがちで…」
陽菜:「ライトを足せば撮れるのはSE3の良さ。
でも14なら“そのまま”撮れる場面が増える」
ひろと:「手間が減る→失敗率が下がる。つまり思い出の“残存率”が上がる」
さとしは14でそっとシャッターを切る。
暗いのにブレていない芽依の笑顔と、やわらかな灯り。
胸の奥の小さな不安が、小さな確信に変わる。
Q&A──「これって大丈夫?」人には聞きにくい不安に答える

*Lightning・電池・重さのアイコンを並べたカード風イラスト
Q1:Lightningって、もう時代遅れ?
A: 大丈夫。いまLightning資産が家にある人(さとしはiPad Air第3世代)にとって、14は初期費用が膨らまない現実解。将来USB-Cにそろえるなら、その時にまとめてでOK。
Q2:中古のバッテリー、すぐ死なない?
A: 最大容量の数値だけで判断しない。 充電回数・修理歴・保証の有無をセットで。短期保証での無償交換対応があると安心度が跳ね上がる。
Q3:13の方が安い時、14にしないと“ケチった”ことになる?
A: 価格差<満足差なら14。逆なら13の良個体+電池交換で“泣かずに勝ち”。言葉にできる理由があればどちらも正解。
Q4:Plusは重さに慣れる?落としそうで怖い…
A: お迎え・片手撮影が多い人は要試着。滑りにくいケース/指ストラップで劇的に変わる。落下の恐怖=日常のストレスだから、ここはケチらない。
Q5:Proを選ばないと写真で後悔する?
A: 望遠で撮る場面が多い人はPro一択。そうでなければ、構図・距離の工夫で14でも十分に“残る写真”。“使い切る確信”が条件。
Q6:長く使えるって本当?途中で切られない?
A: 近年は長期の更新傾向あり。とはいえ電池の劣化が先に来やすいから、2〜3年で電池交換or乗り換えの柔らかい計画が現実的。
Q7:ケース付けるとどれくらい重くなる?
A: 14で約170g台→ケースで+20〜30gが目安。寝かしつけ中の片手運用を想定して軽いケース+ストラップ穴推奨。
Q8:写真が上手くなくても、14で変わる?
A: 失敗の“救済率”が上がる(手ぶれ/暗所/ピント)。上手くなる前に“撮れる”のが大事。
まとめ:“高い”は事実。でも、“残る”はもっと事実。

持つ・撮る・充電の3シーンを横並びで示すトリプティック
電池の安心→Plus/望遠・120Hz→Pro/バランス→14
Lightning資産がある家なら、14は初期費用を増やさずに始められる
月で割ると、“毎日許せる”価格に変わることがある
陽菜「高いものを選ぶんじゃない。
“毎日、許せるもの”を選ぶんだよ」
今日、店頭で“持つ・撮る・見る”の3チェックをしてみてください。
抱っこ・荷物・片手撮影……あなたの毎日で、いちばんラクな一台が見えてきます。
🪷 余韻:幸子(彩花経由のメッセージ)

夜、彩花からのメッセージを見るさとし(芽依を抱いて苦笑)
その夜、彩花からメッセージが届いた。
「ばあちゃん(幸子)が言ってたよ。
『さとちゃん、泣くほど大事にしとるんだって?』って。」
画面を見つめて、さとしは笑った。
泣くなら、まだ大事。
だからこそ、次の一台には理由がいる。
——光の下で撮った芽依の笑顔が、そっと答えを押してくれた。

読んでくれてありがとう。またねー。