本文導入
昼休みのオフィス。
ひろとがコーヒーを片手に、ぽつりとつぶやきました。
「そろそろ結衣さんに、僕の iPadを譲ってもいいかなって思ってるんだよね」
その場にいた陽菜が耳を傾けます。
結衣は陽菜のお姉さんで、小さな子どもを育てる主婦。最近、家でもタブレットがあったら便利だと話していたのを、ひろとは覚えていたのです。

ひろとと陽菜が会社のオフィスで話している。
後日、その話を聞いた結衣は少し驚いた顔をして、でもすぐに興味深そうに笑いました。
「えっ、ほんと?でも第9世代と第10世代があるんでしょ?どっちを選べばいいのかな…?」
結衣は今、iPhone SE3を愛用しています。そして家ではお母さんがiPad第8世代を使っていて、どちらもLightningケーブル。だから「第9世代の方が相性がいいのでは?」と思う一方で、最近のiPadはUSB-Cに変わってきているので「やっぱり第10世代も気になる…」と迷っているのです。
目次
iPadを譲り受けるときに考えるポイント

iPadを差し出す手、受け取る手。
iPadを家族や友だちから譲ってもらうときには、単に「新しいか古いか」だけでなく、いくつかの視点を押さえておくと安心です。結衣のように「第9世代か第10世代か」で悩んでいる人も、以下のポイントを参考にすると、自分に合った選び方ができます。
1. ケーブルの違い(Lightning vs USB-C)
第9世代まで:Lightningケーブル対応。iPhone SEシリーズや古いiPadと同じケーブルがそのまま使える。
第10世代以降:USB-Cに変更。新しいMacBookやAndroidスマホと共通で使いやすく、将来的に主流になる可能性大。
2. 移行・引き継ぎのしやすさ
iCloudを使った移行や、クイックスタート機能で古いiPadからデータを引き継げる。
結衣のように「初めてのiPad」という人でも、Apple IDを設定すればすぐに使い始められる。
3. サポート期間と長く使えるかどうか
iPadは数年ごとにOSアップデートの対象外になるため、今の時点で「どれくらい使えるか」を知っておくことも大事。
第9世代と第10世代では、サポート終了のタイミングが数年ずれるので、長期的に安心して使いたいならチェック必須。
第9世代と第10世代の基本仕様の違い

第9世代と第10世代はどう違う
ひろとから譲ってもらえる候補は「iPad 第9世代」と「iPad 第10世代」。
同じ“無印iPad”シリーズでも、細かい仕様がけっこう違います。結衣のように「どちらを選ぶべきか迷う」場面では、基本的な違いを整理しておくと判断しやすくなります。
詳しくはApple公式で確認できます 👉 Apple公式製品ページ(出典:Apple公式)
画面サイズとデザイン
第9世代:10.2インチのRetinaディスプレイ。ホームボタン付きのクラシックなデザイン。
第10世代:10.9インチのLiquid Retinaディスプレイ。ベゼルが細く、ホームボタンを廃止したフルスクリーン仕様。
👉 見た目は第10世代が“新しいiPad”という印象になります。画面が少し大きく、動画や学習アプリもより広々と楽しめます。
ホームボタンと認証方法
第9世代:画面下にホームボタンあり。Touch IDはホームボタンに内蔵。
第10世代:ホームボタンなし。Touch IDは電源ボタンに内蔵。
👉 慣れやすさでいえば、第9世代は「昔からのiPhoneに似ていて直感的」。一方、第10世代は「最新iPadやiPhoneに近い操作感」です。
ケーブル規格
第9世代:Lightning端子。iPhone SE3やiPad第8世代とケーブル共有できる。
第10世代:USB-C端子。今後の主流。MacBookや他デバイスと統一可能。
👉 結衣が悩む大きなポイントがここ。今の環境に合わせるか、将来を見据えるかで選び方が変わります。
価格と中古市場
第9世代:定価が安め。中古市場にも多く出回っていて、手に入れやすい。
第10世代:定価はやや高め。発売から時間が経ち、少しずつ中古も増えてきている。
👉 「コストを抑えてサブ機として使いたい」なら第9世代、「長く現役で使いたい」なら第10世代が候補になります。
こうして並べてみると、第9世代=親しみやすさと価格の安さ、第10世代=新しいデザインと将来性という特徴がはっきり分かれますね。
次は、結衣が特に気になっている「ケーブルをそろえるべきかどうか」という悩みにフォーカスしていきます。
第10世代はこちらも参考に 👉 iPad第10世代は売るべき?まだ使える魅力と中古相場のリアルを解説
結衣の悩み「ケーブルをそろえるべき?」

→ Lightningと、USB-C
結衣が特に頭を抱えているのは「ケーブル問題」。
ひろとが譲ってくれるiPadは第9世代(Lightning)と第10世代(USB-C)。どちらを選ぶかによって、日常の充電環境が大きく変わります。
iPhone SE3と母のiPad第8世代はLightning
結衣が愛用している iPhone SE3、そしてお母さんの iPad第8世代。どちらもLightning端子です。
つまり第9世代を選べば、同じケーブルをそのまま共有できるので「充電のたびにケーブルを探す」なんて心配がありません。外出先でも、家にあるケーブル1本で間に合います。
USB-Cは将来性が魅力
一方、第10世代は USB-C。最近のMacBookやAndroidスマホもUSB-Cに移行していて、Appleも新しいiPhoneではUSB-Cを採用しました。
「これからはUSB-Cが主流になる」と考えると、いまのうちに環境を合わせておいたほうが便利に思えてきます。
ケーブルを統一するか、今の環境を優先するか
第9世代を選ぶ場合:いま使っているiPhone SE3や母のiPadと同じケーブルで充電できる。とにかくラクで安心。
第10世代を選ぶ場合:すぐにケーブルを買い足す必要はあるけれど、将来的には「USB-Cに統一できて快適」になる可能性大。
結衣は「いまの生活に合わせるか」「将来を見越すか」で気持ちが揺れ動いています。
身近な家族とのケーブル共有を優先するなら第9世代、これからのトレンドを見据えるなら第10世代…。どちらも一長一短があるので、簡単には決められません。
結衣のお母さんの第8世代の記事はこちら
👉 iPad第8世代の使い道と中古相場|家族でシェアする?第10・11世代との比較も
実際に譲ってもらったときの「移行」の流れ
いざiPadを譲ってもらったら、「自分のデータをどう移すか?」が気になるところです。
結衣は今回が“初めてのiPad”なので引き継ぐデータはありませんが、読者の中には「古いiPadから新しいiPadへデータを移したい」という方も多いはず。ここでは、実際の移行方法をわかりやすく整理してみます。
1. iCloudバックアップから復元する方法

iPadの画面に雲のアイコンとプログレスバー。
古いiPadで「設定」アプリを開く。
画面上部のApple IDをタップし、「iCloud」→「iCloudバックアップ」を選ぶ。
「今すぐバックアップを作成」をタップして最新状態を保存。
新しいiPadを起動し、初期設定の途中で「iCloudバックアップから復元」を選ぶ。
👉 Wi-Fi環境さえあれば、ケーブルを使わずにまるごとデータを移せます。
2. クイックスタートで引き継ぐ方法

2台のiPadを並べて「クイックスタート」
新しいiPadの電源を入れる。
古いiPadを近くに置くと、自動で「新しいiPadを設定しますか?」という画面が表示。
指示に従ってApple IDを入力し、カメラでコードを読み取る。
そのまま数分待てば、アプリや設定がコピーされる。
👉 2台を並べて操作するだけなので、とても手軽。結衣のように「初めてiPadを持つ人」は関係ないですが、家族から譲り受ける場合に役立ちます。
3. ケーブルを使って移行する方法

ケーブルでiPadとiPadをつないでいる図解
第9世代はLightning端子、第10世代はUSB-C端子なので、Lightning-USB-CケーブルやLightning-Lightningケーブル+アダプタを用意。
2台を直接つないで「クイックスタート」を選べば、Wi-Fiよりも速くデータ移行が完了します。
👉 アプリや写真がたくさんある人には、このケーブル移行が一番スムーズ。
💡 ポイント
結衣のように「初めてのiPadを使う」場合は、新しいApple IDを設定すればすぐにスタートできます。
一方、「古いiPadからデータを引き継ぎたい」場合には、上のどの方法を使うかでスピードや手軽さが変わります。
新しいiPadに移行する方法は公式Appleサイトにもあります
👉 iPad のデータを新しいデバイスに移行する方法(出典: Apple公式)
サポート期間から考えるとどっちが安心?

結衣がサポートカレンダーを見て考えている
iPadを譲ってもらうとき、もうひとつ大事なのが「どれくらい長く使えるか」という点です。
Appleは毎年新しいiPadOSをリリースしますが、古いモデルは数年でアップデート対象外になります。サポートが切れても使えますが、セキュリティ面やアプリの対応を考えると「できるだけ長くサポートされる機種」を選ぶほうが安心です。
iPadOS 26の対応状況
第9世代:まだ対応は続く見込み。ただし、第10世代より早くサポート終了を迎える可能性が高い。
第10世代:より新しいモデルなので、第9世代より長くアップデートを受けられる。
👉 つまり「当面の使いやすさ」を優先するなら第9世代でも十分ですが、「できるだけ長く安心して使いたい」と考えるなら第10世代の方に軍配が上がります。
サポート終了後にどうなる?
アプリのアップデートができなくなる場合がある。
新しい機能が使えなくなる。
セキュリティ更新が止まるので、ネット利用が少し心配になる。
ただし、動画視聴や読書、学習アプリなど“今ある機能だけで十分”という人にとっては、サポート終了後もしばらく使い続けられるのがiPadの良いところです。
結衣は「母のiPad第8世代がまだ現役で使えている」ことを見ているので、第9世代でも当分安心かな…と感じています。
でも一方で、「長くサポートを受けたいなら第10世代」という考えもあり、なかなか決めきれません。
👇 サポート期間から考えるとどっちが安心?こちらの記事も役立ちますよ
Q&Aコーナー

結衣が手を挙げて質問している
iPadを譲り受けるとき、結衣のように「ちょっと気になること」がいくつも出てきます。
ここではよくある疑問をQ&A形式で整理してみます。
Q:譲ってもらったiPad、初期化は必要?
A:はい、基本的には初期化してから使うのがおすすめです。
以前の持ち主(ひろと)のアプリやデータが残ったままだと、Apple IDが混在したりアプリが正しく動かなかったりすることがあります。
「設定」→「一般」→「転送またはiPadをリセット」から「すべてのコンテンツと設定を消去」を選べば、工場出荷時の状態に戻せます。
Q:Apple IDはどう引き継げばいい?
A:Apple IDは譲るのではなく、新しく自分のApple IDを作るか、すでに持っているIDでログインします。
Apple IDは個人ごとのアカウントなので、家族であっても共有しないのが安心です。App Storeの購入履歴やiCloudの写真なども、自分のIDでしっかり管理できます。
Q:子ども用に譲るときの注意点は?
A:お子さんに使わせる場合は、ペアレンタルコントロールの設定が大切です。
「スクリーンタイム」で使用時間を制限する
アプリやWebサイトの利用制限をかける
ファミリー共有を設定して、保護者が承認できるようにする
これらを設定しておけば、安心して学習用や遊び用として使わせられます。
子どもとの使い分けやApple IDを分けるのに役立つ情報も 👉 iPadを2台持っている人必見|iCloud同期をオフにして「別々に使う方法」まとめ
Q:ケーブルやアクセサリはどう準備すればいい?
A:第9世代ならLightningケーブル、第10世代ならUSB-Cケーブルが必要です。
持ち運びが多い方は、自宅用と外出用に2本準備しておくと安心。また、Apple Pencilの対応も違うので(第9世代=第1世代、第10世代=第1世代+アダプタ必須)、譲ってもらうときに一緒に確認しておきましょう。
💡このQ&Aを見ておけば、「譲渡のときにどこまで準備すればいいのか」がグッと分かりやすくなるはずです。
まとめ|結衣の選んだ答え

結衣がiPad第9世代を嬉しそうに持っている
陽菜から「ひろとがiPadを譲ってくれるって」と聞いた結衣。
選択肢は第9世代(Lightning)と第10世代(USB-C)でしたが、今回は 「第9世代を選ぶ」 ことにしました。
結衣が第9世代を選んだ理由
ケーブルの相性
iPhone SE3や母のiPad第8世代と同じLightning端子なので、いまの生活環境にぴったり。価格の安心感
第10世代よりも安く、譲ってもらう支払い額も少なくて済む。主婦として家計を考えると大きなポイント。人間関係の遠慮
ひろとは陽菜の同僚であり、結衣とは直接の友人ではない。他人に近い立場だからこそ、「あまり高い方をお願いするのは気が引ける」という気持ちもあった。
迷いも残しつつの選択
もちろんUSB-C対応の第10世代も魅力的でした。
「将来のためにUSB-Cに統一しておいた方が便利だったかも…」という思いは残ります。
それでも結衣は、「今の暮らしに無理なく合うもの」を優先して、第9世代を選ぶことにしました。
第9世代を選ぶ理由に役立つかも 👉 iPad第9世代は売るべき?中古相場・準備・高く売るコツまとめ
次回記事へのつながり
こうして手元にやってきた第9世代iPad。
次に待っているのは 初期設定やデータ移行、そして「結衣仕様」に整えていく作業です。
陽菜に教わりながら、Apple IDやiCloudを設定
アプリの入れ直し、データ移行の工夫
子どもと安心して使えるようにスクリーンタイムを調整
👉 次回は、「譲ってもらったiPadを自分の暮らしに合わせて設定する流れ」 を解説していきます。

またねー。