本記事は「iPad+ChatGPTシリーズ」第4弾。第1弾「iPadでChatGPT Plusは必要?」、第2弾「英語学習×ChatGPT」、第3弾「議事録テンプレ配布」の続きです。
“毎週のレポート”を、iPadだけで30分前倒し
社内ラウンジの窓際。ひろとがiPadを横向きにして、左に資料PDF、右にChatGPTを開いています。昼のBGMが小さく流れる中、ひろとがぽつり。
ひろと「毎週のレポートさ、目次→下書き→表まで、並べてドラッグで一気に終わらせたいんだよね」
陽菜「語調のバラつき、いつも気になってる。読まれる文章に整えたい…統一まで任せられる?」

レポート、一気に終わらせたい!
今回のテーマはずばり、iPad × ChatGPT で“要点→章立て→下書き→図表”まで一気通貫。Split Viewで資料とChatGPTを横に並べ、必要な段落だけドラッグ&ドロップ。ChatGPTには“要点3抽出→目次ドラフト→章ごとの下書き→語調統一→表のCSV生成”までやってもらい、最後にドキュメント(Pages/Word/Google Docs)とNumbersへ流し込む。これが、本記事で提案する最短ルートです。
陽菜「まず、“要点3→目次→下書き→表”の順番を忘れないように、メモを画面端に置いておくね」
ひろと「いいね。ぼくはSplit View固定、必要な段落だけドラッグで渡す派。声かけるみたいに、短い指示をテンポよく出すと反応が素直だよ」
みさき(チャットで参加)「NumbersにCSV流し込み前提で作ってもらうと、あとが速いよ。最後に10〜15字の要約見出しも忘れずに」
陽菜「文字数の調整とか、引用の扱い、改行崩れ…そこも解決したい」
ひろと「トラブルQ&Aも用意したよ。最後にチェックリストもある」
目次
第1章 入口設計(Safari/アプリ/ホーム追加)
まず決めるのは“並べ方”
レポート作業は、ChatGPTと資料を同時に見られる環境を先につくると捗ります。iPadならSplit Viewで横並び、頻繁に開くページやChatGPTはホーム画面アイコン化して1タップで起動。これだけで往復の手間が減り、集中が切れません。
ChatGPTアプリ派:アプリ常駐&ドラッグ&ドロップ対応が快適。
Safari派:社内ポータルやオンライン資料と相性がよく、ホーム画面に追加でアプリ風に使える。
ファイル派:iPadの「ファイル」アプリにPDF/Word/Numbersを集約し、必要箇所だけドラッグで投入。
ひろと「ぼくは左:PDF/右:ChatGPT。資料から必要段落だけドラッグで渡すのが好き」
陽菜「社内ポータルはホーム画面に追加しておくと迷子にならないね」

iPadのホーム画面へ、よく開くURLやChatGPTを追加してね
操作の目安(ステップ)
ChatGPTを起動(アプリ or Safari)。
Split Viewにする(Dockから並べたいアプリを画面端へドラッグ)。
PDFやWeb資料から抜粋してドラッグ→ChatGPTへ。コピペでもOK。
よく開くURLやChatGPTは共有メニュー→ホーム画面に追加で1タップ起動に。

共有メニューからホーム画面に追加を選ぶと、次回以降の起動がスムーズです。
参考リンク:Apple公式「iPadのマルチタスク(Split View/Slide Over)」出典:Apple公式、
OpenAI公式「ChatGPT iOSアプリ」。
ミニ会話(Split View〜ホーム追加)
陽菜「Dockからアプリアイコンを端にドラッグしたら半分に並んだ! これ、毎回やるの大変?」
ひろと「慣れると3秒。よく開くページはホームに追加しておけば、迷わず1タップだよ」
陽菜「PDFのこの段落だけ渡したい時は?」
ひろと「ドラッグ&ドロップ。うまく掴めない時は、いったんコピーでもOK。無理に全部貼らないのがコツ」
第2章 資料読解→要点3+目次ドラフト
いきなり下書きしない。最初に“地図”を作る
分厚い資料を前に落ち着かない時こそ、要点3つと目次(章立て)を先に固めます。ここで“どこから読ませるか”が決まり、その後の文字数配分や表の位置も決めやすくなります。

要点3ね
陽菜「“要点3”って、短く切るのが意外と難しい…」
ひろと「ChatGPTに“短文×3で、余計な注釈なし”って指示するとブレないよ」
コピペで使えるプロンプト
P1:要点3
次の資料から、読者が最初に知るべき要点を3つだけ抽出してください。\n- 役割:社内報告レポートの下ごしらえ\n- 読者:部署横断(非専門職も読む)\n- 結果:短文×3、余計な注釈なし\n———\n{貼り付け/ドラッグした本文}
P2:目次ドラフト
要点3を章立てに変換。\n- 章(大見出し)3〜4本+各節(中見出し)\n- 後で表・図を差し込む余白を残す\n- 文字数配分の目安もコメントで
返答の見方(ここをチェック)
要点3は被りなし・並びに意味があるか。
章→節の粒度が揃っているか(章は大きな箱、節は具体)。
表や図の候補が置けそうな小見出しがあるか。
陽菜「“対応策”と“期待効果”は分けたほうが読みやすいね」
ひろと「最後に“要約(50字)”を各章につける指定も入れておこう」

イメージ:ChatGPTの返答で要点3と目次案が並んだ画面。
ミニ会話(要点3→目次)
陽菜「“要点3”に言い換えも入れたいけど、長くなっちゃう…」
ひろと「ChatGPTに“短文×3、注釈なし”って固定で頼もう。言い換えは目次作ってから、各節の本文で薄く散らすのが読みやすい」
陽菜「目次に図や表の置き場を先に書いておくの、効くね」
ひろと「うん。“(表)比較 / (図)流れ”みたいに括弧で差し込み予告しておくと迷わない」
第3章 下書き→語調統一→図表の叩き台
一筆書きの順番が効く
章ごとの下書き→ 2) 語調・言い回しの統一→ 3) 表/図の叩き台。この順番だと迷いが少なく、修正も一点集中になります。

こんな感じで行くよ。
ひろと「まず“結論→根拠→要約”の型で下書き、次に統一、最後に表だね」
陽菜「太字候補を先に[ ]でマークしてもらうと、ドキュメント(Pages/Word/Google Docs)での仕上げが早い!」
コピペで使えるプロンプト(段階別)
P3:章ごとの下書き
目次「第1章:〇〇」を800〜1,000字で下書き。\n- 読者:部署横断\n- 書き方:結論先出し→根拠→要約\n- 禁止:冗長な導入、専門用語の連打\n- 体裁:段落は3〜5行で
P4:語調・言い回し統一
下書き全体をです・ます調で統一。\n- 主語の重複や冗長表現を圧縮\n- 重要語を太字候補として[ ]で囲んで提案\n- 30字以内の要約見出しも各段に付与
P5:表の叩き台(CSV出力)
本文中の比較箇所から2〜3列の表を作成。\n- 1列目:項目\n- 2列目:現状\n- 3列目:示唆/対応\n- 出力はCSV形式のコードブロックで
P6:簡易図の指示
「現状→課題→打ち手→期待効果」を4箱の矢印図で説明する短いテキストを作成。\n- 1箱あたり15字以内\n- 後でKeynote/PowerPoint差し替え前提の箇条書き
返答の活かし方
- [太字候補]は提出直前(最終調整時)に太字スタイルへ置換。
CSVはNumbers/Excelで読み込み、列幅とヘッダだけ整える。
図のテキストはスライドの部品に差し替え。
陽菜「“示唆”の列があると、確認の視点が揃って助かる」
ひろと「“要約見出し(10〜15字)”は、Q&A・投票ツールで共有するときにも効くよ」

イメージ: Numbersで整えた表(列幅調整後)
ミニ会話(下書き→統一→表)
陽菜「“結論→根拠→要約”の型で書いたけど、主語が重なって読みにくいところがあるかも」
ひろと「“主語重複削除・20%圧縮・ですます統一”を一括指定しよう。[太字候補]は後で太字スタイルに置き換える前提で」
陽菜「表はMarkdownで出てきた…」
ひろと「“CSVで再出力して”って頼もう。項目/現状/示唆の3列にすると確認の観点が揃うよ」
第4章 提出フォーマット(Pages/Word/Google Docs/Numbers)と差し替え術
目的
社内提出に適したフォーマットへ一気に整えます。Numbers/Excelの表はテキストのまま掲載し、最終はPDFで書き出し。確認→再提出の往復を短縮します。

みさきが説明。
提出までの流れ
CSV(P5出力)をNumbers/Excelに読み込み→列幅・ヘッダだけ整える。
本文はPages/Word/Google Docsに貼り付け。
構成:「結論→現状/課題→対応策→期待効果→参考データ」
[太字候補]
は実際の太字スタイルに変換。
先頭に1枚要約(50–80字の要点+箇条書き3点)を置く。
ファイル名規則:
YYYYMMDD_部署_週次レポート_v1.0.pdf
PDF書き出し→提出メールに添付。

イメージ: Docs/Word/Pages → PDF書き出しダイアログ風
1枚要約テンプレ(先頭ページ用)
タイトル:〇〇レポート(期間:MM/DD–MM/DD)
要点(50–80字):____________
重要トピック(3点)
______
______
______
提出メールの雛形(コピペOK)
件名: 〇〇レポート(期間:MM/DD–MM/DD)
本文:
要点:①__ ②__ ③__
添付:PDF/Numbers(表)
追記予定:__(次回対応)
第5章 トラブルQ&A(字数・引用・改行崩れ ほか)

ひなは考え顔。ひろと「こんな風にしたらいいよ。」
Q1:字数が足りない/多すぎる
A:プロンプトに「○字±20%」と明記。各章の最後に「50字要約」を指示すると全体のテンポが整います。
Q2:引用の表記が曖昧
A:引用範囲を明確にし、出典を明記。「引用は””で囲んで」「末尾に参考URL候補を1件提案」まで指示。
Q3:改行が崩れる
A:段落は3〜5行を目安に指定。Pages/Word/Google Docsなど文書ツールの見出し/段落スタイルを使うと崩れにくくなります。もし整わない場合は、本文を章ごとに分けて貼り直すと安定します。
Q4:表がMarkdownで来る
A:CSVでの再出力を依頼(Numbers/Excelの取り込み前提を伝える)。
Q5:専門用語が多い
A:「部署横断で理解できる言い換えを括弧で追記して」と指示。
Q6:音声で指示したい
A:ChatGPTアプリの音声モードや、iPadのキーボード音声入力を活用。会議録は第3弾のテンプレが近道 → 議事録テンプレ配布
Q7:ファイルが大きくて読み込めない
A:章ごとに分割アップロード。添付前にPDFの不要ページを削除するのも有効。
Q8:iPadで2画面にできない
A:3点ボタン→「並べて表示」を確認。Dockからアイコンを画面端へドラッグでもOK。
Q9:共有アイコンが見つからない(ホーム追加)」
A:Safariの共有(上矢印)→「ホーム画面に追加」。
Q10:Plusは必要?
A:作業量と頻度で判断。大量の下書き生成やファイル添付が多いなら検討。比較は第1弾 → Plus要否

iPadでChatGPTを使いこなしているひろと
ミニ会話(トラブルあるある)
陽菜「“改行が消えちゃう”って相談、よく受けるんだ」
ひろと「段落は3〜5行でって最初に伝えると崩れにくいよ。もし崩れたら、見出しスタイルに流し直して
<p>
で整える」陽菜「“引用の範囲”は迷う?」
ひろと「引用は””で範囲、出典URLを末尾に。ChatGPTにも同じルールで出してもらおう」
まとめ|“要点→目次→下書き→表”の一直線で、迷いをなくす
夕方。二人はテンプレに流し込んだレポートを提出しました。すぐにSlackで通知が鳴ります。
上長「構成が見やすい。結論→根拠→要約が効いてるね。表の示唆列も助かる」
陽菜「やった…! “要点3→目次”を先に固めたのが効いたね」
ひろと「30分前倒しは本当だった。来週の自分に“テンプレ”というおみやげを残せた感じ」

うまくいった!
あなたの番です。 今週のレポートで、まずは5分だけ次の順で試してみませんか?
Split ViewでChatGPTと資料を並べる。
P1:要点3を作る(短文×3、注釈なし)。
P2:目次を出して、(表)(図)の置き場を括弧で予告。
P3:第1章だけ先に800〜1,000字で書き出す。
うまくいくと、残りの章は同じ型で並べるだけになります。
行き詰まったら
「主語重複を削って20%圧縮」「です・ます統一」と一括指示(P4)。
表がMarkdownで来たらCSV再出力(P5)。
迷ったら“要点3→目次”に戻るのがいちばん早い。
陽菜「あなたのレポートも、きっと軽くなるはず。まずは要点3から、一緒にやってみませんか?」
ひろと「そうそう。まずは気軽な気持ちでトライしてみて✊」
今日の実践チェック(保存推奨)
Split ViewでChatGPTと資料を並べた
P1:要点3(短文×3・注釈なし)を作った
P2:目次を作り、(表)(図)の差し込み位置を括弧で予告した
P3:第1章だけ800〜1,000字で下書きした(結論→根拠→まとめ)
P4:語調統一(です・ます)+主語重複の削減+20%圧縮を適用し、[太字候補]を付けた
P5:CSVをNumbers/Excelに読み込み、項目/現状/示唆の3列で整えた
提出フォーマット(Pages/Word/Google Docs)に流し込み、1枚要約を先頭に置いた
引用は範囲を“”で示し、出典名・URL・参照日を明記した
段落は3〜5行、文字数は指定±20%で整えた
付録A ショートプロンプト集【コピペOK】
使い方:資料をSplit Viewで開き、必要箇所だけ貼り付けて実行。各プロンプトはそのままコピペで使えます。
P1:要点3(まず“地図”づくり)
次の資料から、読者が最初に知るべき要点を3つだけ抽出してください。
役割:社内報告レポートの下ごしらえ
読者:部署横断(非専門職も読む)
形式:短文×3、注釈なし
———
{本文/抜粋を貼り付け}
P2:目次ドラフト(章立ての骨組み)
上の要点3をもとに目次(章立て)を作成してください。
章(大見出し):3〜4本、各章の下に節(中見出し):2〜3本
後で表・図を差し込む余白を残す(括弧で(表)(図)と記載)
各章に30字以内の要約を付与
P3:章ごとの下書き(結論→根拠→要約)
目次の第1章「◯◯」の本文を800〜1,000字で作成してください。
構成:結論先出し → 根拠 → まとめ
読者:部署横断
禁止:冗長な前置き、専門用語の多用
段落:3〜5行を目安
P4:語調・言い回しの統一(読みやすさ最優先)
下書き全体をです・ます調で統一し、主語の重複や冗長表現を20%圧縮してください。
重要語を[太字候補]で囲んで提案
各段に10〜15字の小見出しを付与
P5:表の叩き台(Numbers/Excel向けCSV)
本文中の比較・箇条書きを3列CSVに変換してください。
列:項目, 現状, 示唆/対応
出力はCSV形式のコードブロックで
P6:簡易図の指示(スライド差し替え用)
「現状 → 課題 → 打ち手 → 期待効果」を4箱の矢印図にするための短いテキストを作成してください。
1箱あたり15字以内
Keynote/PowerPointで差し替え前提の箇条書き
オプション(必要に応じて)
見直しチェック
読み手の負担が大きい表現を3つ挙げ、言い換え候補を添えてください。
章ごとの要約
各章の内容を50字で要約し、記事末に箇条書きで一覧化してください。
補足|参考
Apple公式:iPadのマルチタスク(Split View/Slide Over)出典: Apple公式
※ 具体的な画面はiPadOSのバージョンによって異なる場合があります。

またねー。